ランサムウェアとは
ランサムウェアは、侵入した組織のファイルやサーバーを暗号化して使えなくし、元に戻すことと引き換えに金銭を要求する攻撃です。近年は暗号化の前にデータを盗み出し、「支払わなければ公開する」と二重に脅す手口が一般的になっています。
どのように被害が起きるか
多くの場合、攻撃者はまず VPN 機器やリモートデスクトップなど、外部から社内へ入る入口を狙います。修正プログラムが当たっていない機器の弱点や、漏れたり推測されたりした ID・パスワードが使われます。
侵入後は、管理者の権限を奪いながら社内のネットワークを広く調べ、バックアップを含む重要なサーバーを探します。準備が整った段階でデータを持ち出し、一斉に暗号化します。侵入から暗号化までに数日から数週間かかることもあります。
公表事例に多い影響
- 業務システムやファイルサーバーが使えなくなり、受注・出荷・診療などの業務が止まる。
- 顧客や取引先、従業員の個人情報が持ち出された可能性があるとして、本人への連絡と個人情報保護委員会への報告が必要になる。
- システムの委託先や、クラウドサービスの提供元が被害を受け、利用していた多数の組織に影響が広がる。
- 復旧と調査に数週間から数か月かかり、続報が何度も出る。
事業者が平時に備えること
- VPN 機器・リモート接続の入口を一覧にし、修正プログラムを当てる担当と期限を決める。使っていない入口は閉じる。
- 管理者アカウントとリモート接続には多要素認証をかける。退職者や使っていないアカウントは止める。
- バックアップは、ネットワークから切り離した世代を持つ。復元の手順を実際に試しておく。
- 感染に気づいたときに誰が何を止め、どこへ連絡するかを、紙で用意しておく(システムが止まると電子の手順書も読めなくなる)。
- 委託先と、事故が起きたときの連絡の流れ・報告の期限を契約で決めておく。
被害に気づいたら
感染した機器はネットワークから切り離し、電源はすぐに切らずに調査に必要な状態を残します。攻撃者からの要求には応じる前に、警察や専門の事業者に相談してください。支払ってもデータが戻る保証はなく、再び狙われるおそれもあります。初動の流れは「事故が起きたら」のページにまとめています。
自社で確かめること
- VPN 機器・リモート接続の機器の型番と、修正プログラムの適用状況を確かめる
- ネットワークから切り離したバックアップがあり、復元を試したことがあるか確かめる
- 管理者アカウントに多要素認証がかかっているか確かめる
Web サイトとメールの設定は、無料診断で確かめられます(CMS・メール認証・セキュリティヘッダ・SSL/TLS の4種類をまとめて)。
関連する用語
- VPN(仮想専用線)
- インターネットを通じて、社外から社内のネットワークへ安全に接続するための仕組み。VPN 機器の弱点や、漏れた ID・パスワードが、ランサムウェアの侵入口として多く公表されています。
- 多要素認証
- パスワードに加えて、スマートフォンに届く確認コードや専用のアプリなど、別の要素を組み合わせて本人を確かめる方法。パスワードが漏れても、それだけではログインできなくなります。
- バックアップ(オフライン・世代管理)
- データの写しを保存しておくこと。ランサムウェアはネットワーク上のバックアップも暗号化するため、切り離した場所に、複数の時点の写しを持つことが勧められています。
- フォレンジック調査
- 端末やサーバーに残った記録を調べ、侵入の経路・時期・持ち出された情報などを明らかにする調査。公表資料では「外部の専門機関による調査」と書かれることが多いものです。
- 二重恐喝
- データを暗号化して身代金を要求するだけでなく、盗んだデータを公開すると脅して支払いを迫る手口。
ランサムウェアの公表事例(2件)
- 組織の公表資料信頼度 高IDCフロンティア、ランサムウェアによるサービス障害を公表(2026年10月7日)影響: 1件
- 個人情報保護委員会信頼度 中エムケイシステムに個人情報保護委員会が行政上の対応(2024年3月25日公表)影響: 計7,496,080人
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